しみじみ感じる小津映画

小津安二郎の映画には、娘が嫁に行く話が多くあります。

麦秋

晩秋

秋日和

秋刀魚の味

みんな同じような、嫁に行かない娘と親の設定なのですが、それぞれ違った視点から全く別の映画になっています。

それ以外にも「お見合い」の話は小津の映画には良く出てくるんですが、時代が違うと「お見合い」も随分違うのだな。と感じさせられます。

秋刀魚の味
娘は岩下志摩で、父親役の笠智衆が彼女のお見合い相手を探してくるのですが岩下志摩は兄の佐田啓二の同僚が好きなのです。

笠智衆は佐田啓二にお前の同僚は岩下志摩をどう思っているか聞いてくれと頼みます。

「どうせなら、好きな人のとこに嫁がせてやりたいから。」と親心は今も昔も変わりません。

残念ながら同僚には婚約者がいます。

その事を岩下志摩に伝えると

「それならいいのよ。お父さんの方の話を進めて下さい。」と岩下志摩はお見合いを承諾します。

笠智衆はあっさりしたもんだと思っているのですが、岩下志摩は自分の部屋で泣いています。

この当時のお見合いは、お見合いした時点で半分結婚みたいなものですから話はまとまり岩下志摩は嫁に行くのです。

こんな単純なストーリーなのですが、中には人間の暖かさ侘しさみたいなのが沢山詰まっているのは、小津安二郎の映画ならではです。

色んな余韻を残してくれる小津作品ですが、個人的にはやはり「東京物語」が好きです。さすがの名作です。