婚活をしていると、

「自分は悪くない」

「相手が悪かった」

と思う場面があります。

もちろん、本当に相手に問題があることもあります。

ただ、

人間関係というのは不思議なもので、

よくよく事情を聞いてみると、実は誰も悪くなかった

ということもあります。

昔、息子が中学生だった頃の話です。

合唱コンクールで女子に呼び出された息子

学校で合唱コンクールの練習をしていた時、

息子がクラスの女子数人から呼び出されたそうです。

女子が何人もいる。

本人は一瞬、

「何の話だ?」

と思ったそうですが、

告白にしては人数が多すぎます。

そして女子たちから言われたのが、

こんなお願いでした。

「千原は音程が少し外れるので、大きな声で歌うと周りもつられてしまう」

「張り切って歌ってくれているところ申し訳ないけれど、クラスが勝つために声を抑えてもらえないか」

要するに、

口パクをお願いしたい

という話です。

なかなか残酷です。

しかし、

女子たちもクラスで勝ちたい。

息子もクラスで勝ちたい。

息子は、

クラスの勝利のために自分が犠牲になることを受け入れました。

今度は先生に怒られる

その後、

息子が練習でほとんど声を出さずにいると、

今度は担任の先生から、

「ちゃんと歌いなさい!」

と怒られました。

息子からすれば、

たまったものではありません。

女子からは、

「歌うな」

先生からは、

「歌え」

です。

本人は、

「俺はどうすればいいんだ?」

となります。

家では全員大笑い

その日の夕食時、

息子からこの話を聞きました。

家族全員、大笑いです。

妻は、

「やっと自分が音痴だって分かった?www」

娘は、

「女子たちも言いにくかったと思うよ。www」

私は、

「本番だけ思い切り歌って、音程破壊テロでもやればいい。wwww」

などと言っていました。

そんな話をしている時、

家の電話が鳴りました。

担任の先生でした。

先生から謝罪の電話

先生は、

「今日、事情を知らずに息子さんを叱ってしまいました」

と話し始めました。

あとからクラスの女子たちが先生のところへ行き、

息子が声を出していなかった理由を説明したそうです。

先生は、

「事情も知らずに強く叱ってしまって、傷つけてしまったのではないか」

と心配して電話をくれたのです。

私は、

「本人はまったく気にしていません」

と伝えました。

そして、

先生から電話があったことを息子に話しました。

すると息子は、

意外なところに食いつきました。

「それより、女子の誰が先生のところに行ったの?」

私は、

「そこまでは聞いていない」

と答えました。

すると、

「あいつかな?」

「いや、誰だろう?」

「怒られている俺を放っておけなかったんだろうな」

と嬉しそうに考え始めました。

そして最後に、

「先生、なんで一番大事なところを言わないんだろう。電話して聞いてみていい?」

と言いました。

私は、

少し馬鹿を育ててしまったのかもしれません。

でも、この話には悪者がいない

この話を考えてみると、

実は誰も悪くありません。

女子たちは、

クラスで勝ちたかった。

息子も、

クラスのために協力した。

先生は、

生徒が真面目に歌っていないと思って注意した。

事情を知った女子たちは、

先生に説明しに行った。

先生も、

自分の誤解に気づいて謝った。

それぞれ、

自分の立場ではそれなりに正しいことをしています。

ところが、

息子の立場だけから見れば、

「女子から歌うなと言われ、先生から歌えと怒られた」

という、

かなり理不尽な話になります。

婚活でも同じことがある

交際が終わった時、

人はどうしても、

自分の立場から出来事を見ます。

「急に振られた」

「何も悪いことをしていないのに」

「相手がひどい」

そう思うこともあります。

でも、

相手には相手の事情があります。

悪意があったとは限りません。

相手も悩んだ末に出した結論かもしれない。

こちらの一言を違う意味に受け取っていたのかもしれない。

タイミングが合わなかっただけかもしれない。

人間関係には、

悪者がいないのに、うまくいかないことがあります。

被害者になると、話は簡単になる

「相手が悪い」

と思えば、

話は非常に分かりやすくなります。

自分は変わらなくていい。

原因も考えなくていい。

でも、

婚活ではそれが一番もったいない。

もちろん、

何でも自分のせいにする必要はありません。

ただ、

「相手が悪かった」で終わらせる前に、

別の見方はなかっただろうか

と一度だけ考えてみる。

それだけでも、

次の交際は変わると思います。

人間関係は一方向から見ると分からない

自分の立場から見れば、

自分が被害者。

相手の立場から見れば、

相手が被害者。

第三者から見れば、

どちらも悪くない。

そんなことは珍しくありません。

人間関係というのは、

一つの方向から見ただけでは分からないものです。

だから私は、

交際がうまくいかなかった時ほど、

「誰が悪かったのか」より、

「何が起きていたのか」

を見る方が大事だと思っています。

誰も悪くなくても、

うまくいかないことはあります。

そして、

それが分かる人ほど、

次の関係は少し上手になると思います。