会社が結婚斡旋をしていた
昭和時代は会社で結婚できました。
昭和と言う時代は、会社は仕事の場であると共に男女の出会いの場でもありました。多くのカップルは職場の縁で結婚していった訳です。
適齢期の男性には上司が「なあ鈴木君。君は付き合っている女性はいるのかね?」とか聞くわけです。
「いえ、残念ながらおりません。」鈴木さんは答えます。
「なら、どうだ?あの事務の山田君は?」上司は山田さんを勧めます。
「はあ、でも彼女が何と言うか?」
鈴木さんは答えます。
「心配いらないよ。実は先日、山田君にも話をして鈴木君をどう思うか?と聞いていたのだよ。」上司はリサーチ済みだと自信たっぷりです。
「はあ!それで何と?!」鈴木さんは身を乗り出します。
「まんざらでもなさそうだったよ。それでもし君が良ければ良い日を見つけて2人で食事でもしたらどうだね?私が調整してもいいのだよ。」上司は言います。
「ありがとうございます!万事よろしくお願い致します。」鈴木さんは大喜びです。
こうして昭和の結婚は成立していったのです。
企業の多くは女性を長期にわたって雇用すると言うよりも男性社員の奥さん候補として大量の女性社員を採用しました。もちろん当時は結婚=退職であったのです。
時代はあっという間に変わり、奥さん候補としての採用はほとんどなくなり、上司の口利きの結婚も絶滅しました。
やはり、現在の結婚は自力でするしかないのです。