茶碗蒸しは頼んでいない
恥ずかしい話ですが、私は茶碗蒸しがあまり好きではありません。
理由は自分でもよくわかりません。皆さんにも、理由はないけれど何となく苦手なものが、一つくらいありませんか。
茶碗蒸しの困ったところは、頼んでいないのについてくることです。
お刺身定食や、何とか御膳を注文すると、主役の横にちょこんと座っています。
君は頼んでいない。
誰かと食事をしていれば譲ることもできます。でも、「私の茶碗蒸しと、あなたのカキフライを交換しませんか」という提案が通ったことはありません。
もらっていただけるとしても、無料進呈です。
先日は、その無料進呈さえ断られました。
仕方なく蓋を開けて、中を覗いてみたんです。
ぎんなんと椎茸がいたので食べました。鶏肉と三つ葉も出てきたので食べました。残った卵の部分も食べました。
ごちそうさまでした。
気がつけば、全部食べていました。
結婚相手も「好きな部分だけ」は選べない
結婚相手も、少し似ていると思います。
優しいところが好き。話が合うところが好き。一緒にいると楽しい。
そう思う相手にも、「そこはちょっと苦手だな」と感じる部分はあるでしょう。
人間は品数の多い定食のようなもので、好きな一品だけを注文することはできません。
もちろん、どんなことでも受け入れればいいわけではありません。
自分を傷つける言動や、将来の暮らしに関わる大きな違いなら、きちんと向き合う必要があります。
でも、何となく苦手だと思っていた小さな部分は、近づいて見てみると、想像していたほど気にならないこともあります。
私も茶碗蒸しを全部食べられました。
……とはいえ、次の定食に茶碗蒸しがついてきたら、また誰かに差し上げると思います。
全部を好きになれなくても、一緒にやっていけることはあるんです。








