カッコ悪いけどカッコいい
娘が中学1年の時の話です。
彼女は陸上競技部でした。
彼女の試合の日に応援に行ったのですが、彼女の競技の出番の前に、男子の競技があり同級生の男子生徒が選手として出てきました。
種目は中距離でした。
娘の同級生だな。と思い競技を眺めていました。
スタートの合図と共に彼は飛び出していきました。プログラムを見ると同じレースには持ちタイムの良い他の学校の上級生が何人かいました。
その彼らについていく姿に私は「こりゃちょっとペースに無理があるな。後半キツイだろうな。」と思って見ていました。案の定、彼はレース後半に順位を下げていきます。
必死にくらいついて頑張りましたが、結果は8人中4位か5位だったと思います。
持ちタイムの違う上級生と走った割には健闘だったかもしれません。
その日、家に帰っての夕食時特に意味も無く「同級生の男子の中距離も見たよ。」と伝えました。
娘は「◎◎?」と彼の名前を言いました
私は「そう。その男の子」と言いました。
次に娘は
「がんばったよね!かっこよかったよね!」と言うのです。
私から見れば、ペース配分を間違えた無謀な男子でしかありませんでしたが、娘から見ると「かっこよかった。」となるようです。
私は「でも後半バテちゃったみたいだね。」と言うと彼女はすぐに
「でも凄いよ。上級生と逃げずに勝負した結果だもの。負けたけどあんな速いペースについていくなんて、私なら怖くて出来ない。やっぱり◎◎はすごいよ。」と女性目線で話します。
おそらくこの同級生の男子も「後半バテてかっこ悪かったな。」と思っているような気がします。
ところが、娘には「かっこよかった」と映る訳です。
この辺の男女の見方の違いが、男性の救いであるような気がした事、ファイティングポーズをとる事がかっこいいって事なんだと言う事を、その時に思った事をさっき思い出したんです