テレビで松潤さんを見ながら、私は家族に言いました。

「若い頃の俺、松潤に似ていたよね?」

息子は「お父さん、嘘は良くないよ」。

娘は「眼鏡を買った方がいいよ」。

誰も信じてくれません。

そこで妻に聞きました。

「俺、若い頃はあんな感じだったよね?」

妻は黙ったままです。

「そっくりって意味じゃないよ。面影というか、雰囲気というか。今じゃなくて、若い頃の話ね。ずーっとずーっと昔の話」

そこまで説明すると、妻はようやく言いました。

「まあ、確かにあんな感じの時期はあったね」

うひょ♡!

私は勝ち誇って子どもたちの方を振り向きました。でも、二人ともすでに席を離れていました。

せっかく証言が取れたのに、聞いていた人がいません。

仕方なく妻に頼みました。

「今度、子どもたちの前でもう一回言ってくれない?」

すると妻は、あっさり「いいよ」と言ってくれました。

私が欲しかった答えを、妻が本当に信じているかどうかは分かりません。

ただ、こんな他愛ない頼みに付き合ってくれる。その「いいよ」が、私にはうれしかったのです。

結婚生活には、大きな出来事ばかりがあるわけではありません。

くだらない話をして、少しからかわれて、それでも味方をしてもらえる。

私は、そういう時間も結婚の良さだと思います。