経験しないとわからない事
読売新聞の読者投稿に
結婚して50年、夫から「お前」と呼ばれる事が、どうも対等ではないように感じた奥さんが
「お前」と呼ばれる気持ちを夫に教えようと、
「ねえ、呼ばれ方を交換しない?」と提案します。
奥さんを「あなた」と呼ぶことにし、夫を「お前」と呼ぶことにしようという事です。
夫は「いいよ」と簡単に応じます。
奥さんは早速「ねえ、お茶でも飲もうよ。お前」と夫に言います。
夫は
目を丸くし、
ハッと息をのみ
諦めたように
消え入りそうな声で
「そうだね。あなた」と答えます。
そのしょげた夫の姿に呼び方の交換は1度でやめたのですが、以来、夫は奥さんを名前で呼ぶようになったとの事です。
最後に
今は名前で呼ばれる幸せをかみしめている。
と結んでありました。
悪気がなくても、経験してみないとわからない事も多いですね。
私は女房を、付き合い始めと変わらない、彼女の名前で呼んでいるのですが、
彼女は子供が出来てからは、私を「お父さん」と呼ぶようになりました。
この場合、逆にしても、女房を「お父さん」と呼び、私が女房の名前で呼ばれるという
女房だけでなく私にもダメージがありますので、この奥さんの作戦は使えず、私は「お父さん」のままです。
別に「お父さん」が嫌でもないのですけどね。
聞かなきゃわからない事
話は変わりますが、テレビ番組で「聞きにくい事を聞く」って言うのを見てたんです。
あなたよりほんの少しブスな人を紹介してください。
とか
この料理の原価は幾らですか?
みたいな普通ならとても聞かないような事でも、勇気を出して聞けば相手は答えてくれるのだろうか?という番組です。
結婚相談所でも、会員様から聞かれるのが
こんな事を聞きたいけど、聞いたら失礼でしょうか?不快に思われないでしょうか?
なんて言う悩みです。
私は
自分自身が聞かれて、話せるレベルの質問ならば相手に聞いて全く問題ないと思います。
失礼だと問題になるのは、ほとんどが聞き方・聞く態度の問題であって、聞いた質問の内容ではないんですね。
聞きたいことがあれば、
「言いたくなければ別にいいんだけど、聞いていい?」
というような遠慮がちに聞けば、ほとんどの場合はちゃんと答えてくれるはずですし、
例え答えてくれなくても相手に失礼な事にはなりません。
人が嫌うのは、遠慮なしにズケズケと土足でプライバシーに踏み込んでくる態度であったり、
自分自身の開示をしないまま相手にだけ開示を求めるフェアではない姿勢だったりする事が多いのです。
聞きにくい事であっても聞きにくそうに聞けば、ほとんどの場合は許容してくれます。
自分なら答える
遠慮がちに聞く
答えを強要しない
という3つを守っても、なお相手が失礼だと感じてプンプンしているなら、
それは
相性が悪いのです。
2人の基本的な感性が全く違うという答えが出たのです。無理に付き合う必要はないと思います。
我が家でも、
私が女房にどれだけ遠慮がちに彼女の体重を聞いても、彼女は答えずに「失礼な男だ!」とプンプンしているのですけど・・・